楽天の電子書籍サービスが1つ終了を迎えるようです。
パナソニックと手を組んで始まったRabooというサービスですが、こういったサービスの終了は良くあることです。
特にパナソニックが手を組んだ電子書籍サービスは、今までにいくつか消滅しているはずです。
Rabooがあまり流行らなかった要因の1つに専用端末が高すぎたこともあると思いますが、それを打開するために選んだのが海外発祥のサービスとその端末のkoboなんでしょう。
(楽天としては総合物流サービスのアマゾンには対抗せざるおえませんからね)
そして自社内に2つの同様なサービスは必要ありません。
koboサービス開始の記者会見では、Raboo顧客へのフォローとしてkobo上で同様のコンテンツが見られるようにする(逆の見方をすれば、koboユーザーになればいつかRabooで陳列されていた電子書籍コンテンツも購入できる)という予定でしたが、その約束は守られませんでした。
しかし、コンテンツを用意するのは楽天ではなく権利を持っている出版社です。
出版社側の論理と作家との契約では、サービスが違えば別の本という扱いのはずなのでもう1冊分商品代金が欲しいのです。(ハードカバーと単行本は同じ内容でも商品としては別…という感覚に近いのかも)
さらに、電子書籍を別のフォーマット(この場合は EPUB3)へ変換するコストについても何気に大きいはずです。
そんなわけで出版社と楽天の落としどころが見えなくなり、Rabooは終了するしかなかったと思われます。
該当されているRabooサービスの利用者は色々思うところもあるかもしれませんが、コンテンツに投資をしたコストの40%くらいは楽天内のポイントで返還してもらえるらしいので、ある意味ラッキーだと思っても良いと思います。
いまどき、ブックオフなどの中古買い取りにおいて定価の4割で本を買い取ってくれるという話は聞いたことがありませんし。(10%のなんでも使える楽天ポイントと、kobo端末を購入していればkoboサービス利用時に使えるポイント40%など、制約はいろいろ)
今回問題なのは、約束を反故にした理由を楽天側が明確にしていないこと。
約束を反故にしてしまったことについての説明もなく、対処方法としてのポイントバックの話だけが聞こえてくるというのは、最近の楽天にありがちな対外的オペレーションのミスではないかと思っています。
どうして予定をしていたサービス統合が実現できないという結論に至ったのか。
考えられることとして、出版社の協力があおげなかった、コストをかけて移行するよりも新たにデータコンバートをしたと仮定した際にかかったであろうコストをポイントで還元をした方がお互いに幸せになれると思った…などなどいろいろありますが、まずは素直に説明をするべきだったのだと思います。
また1つ楽天は信用を失うオペレーションミスを引き起こしてしまいました。
人材に恵まれていないんですかね。
残念。