つい先ほどソニーから正式なリリースが発表されました。
PC事業の箇所のみを引用します。
PC事業
本日、日本産業パートナーズ株式会社(JIP)との間で、ソニーがVAIOブランドを付して運営しているPC事業を、同社に譲渡することに関する意向確認書を締結しました。 グローバルなPC業界全体の大幅な構造の変化、ソニー全体の事業ポートフォリオ戦略、「VAIO」をご愛顧頂いているお客さまへの継続的なサポートの必要性、社員の雇用機会などを総合的に検討した結果、ソニーとしては、モバイル領域ではスマートフォン及びタブレットに集中し、PC事業をJIPが設立する新会社へ事業譲渡することが最適であるとの判断に到りました。今後、ソニーとJIPは、デューデリジェンス(当該PC事業の精査)及び更なる協議を経て、2014年3月末までに事業譲渡に関する正式契約を締結することを目指します。なお、当該新会社は、設立当初は、商品構成を見直した上で日本を中心にコンスーマー及び法人向けPCを適切な販路を通じて販売することに注力し、適切な事業規模による運営を行う予定です。 新会社への事業譲渡にともない、ソニーでは、PC製品の企画、設計、開発を終了し、製造、販売についても各国で発売する2014年春モデルを最後として事業を収束する予定です。ソニーの事業収束後も販売済み商品のお客さまへのアフターサービスは継続します。ソニー株式会社及びソニーイーエムシーエス株式会社などでPCの企画、設計、開発、製造、販売などの業務に携わってきた社員のうち約250~300名は、JIPが設立する新会社で雇用される予定です。加えて、ソニーグループ内の他の事業部門への配置転換などを検討します。また、新会社での雇用やグループ内への異動が困難な人員を対象として社外への転進を支援するための早期退職支援プログラムを実施する予定です。
ソニーブランドのVAIOは春モデルで本当に終了なのですね。
パソコンは本来ユーザー側が利用の仕方を考えるものなので、あるべき姿に還って行っているだけなのかもしれません。
どのメーカーのパソコンを買ってもそれなりに同じことはできるのですから。
まだ手に入るVAIOの製品群の中から少しでも自分の用途にマッチしたモデルがあるのだとすれば、この機会に購入しておいたほうが無難だとは思います。
しばらくはVAIOシリーズのようなコンセプトを持ったPCは世の中にリリースされなくなる可能性の方が大きいですし、オーナーメードモデルは人気のある部品から無くなっていきますから。
サポートに関しては部品保持の義務の範囲内(本体部品なら7年くらい?)でストックされているでしょうし、故障の対応も無料の期間が過ぎても有償であればその範囲で受けられるはずです。(内蔵バッテリーの交換やオプション品はこの限りではないかもしれません)
1年前、ソニーストアで行われていたVAIO Duo 11 の購入キャンペーンに当選をして長野県安曇野市にあるVAIOの里と呼ばれる工場施設を見学に行きました。
そしてこの記事を書くために色々と同社のことを調査した際に感じた一抹の不安が、こんなにも早く現実のものとなるとは思ってもみなかったです。
もう1つ別のニュースリリースも発表されました。
こちらも一部を抜粋。
本件取引はJIPが設立する新会社にソニーのPC事業とPC事業にかかる一部の資産などを承継させる形で行うことを想定しており、両社は2014年7月1日を目途に本件取引を実行することを目指します。本件取引の諸条件および新会社の概要は、正式契約に向けた精査と併せて協議していきますが、現時点で想定している内容は以下の通りです。
・新会社は、独立した事業会社としてVAIOブランドを付するPC事業の企画、設計、開発から製造、販売などに至る事業全体を運営する。
・設立当初は、商品構成を見直した上で日本を中心にコンスーマーおよび法人向けPCを適切な販路を通じて販売することに注力する等、適切な事業規模による運営で早期の収益安定化を目指す。
・新会社は、現在ソニーのPC事業の拠点である長野テクノロジーサイト(長野県安曇野市)をオペレーションの拠点として、ソニーと国内関連会社でPCの企画、設計、開発、製造、販売などに従事している社員を中心に250~300名程度で操業を開始する。
・新会社はJIPの出資および経営支援のもと設立・運営されるが、立ち上げと円滑な事業移行をサポートするため、設立当初はソニーから5%の出資を行う。
・本件取引の対価については、正式契約にて確定される譲渡資産に応じて今後協議する。
当時お会いした方々のことも非常に気にかかります。
さらに購入したあとにお世話になることが多い、地元藤沢市にあるソニー湘南テックと呼ばれる建物の中でVAIOのユーザーサポートを一手に引き受けているチームの方。
そちらについても今後どうなっていくのか、このリリースからは完全には読み取れません。
あまりにも規模感の大きいトピックスだけに対応を間違えるとソニー製品全体への信頼も揺らぐことになるかもしれません。
トカゲの尻尾切りの犠牲ではない、ソニーという巨大な仕組みに囚われないモノづくりができる環境をきっちりと準備する必要があるでしょう。
ソニーではない新しい会社でユーザーの方向をきちんと向いたVAIOを作ることができるのか。
それはVAIOと呼べるパソコンなのかどうか。
関係スタッフの方たちも新しい環境で夢と希望を持って仕事を続けていけるのかなど、気にかかることが無いわけではありません。
いつの日か、以前のVAIOで感じたようなトキメキと所有している喜びを与えてくれるパソコンを生み出してくれることを切に願います。
ひとまずお疲れさまでした。