前回の記事では、Windows 8.1 環境における汎用的なUSBメモリーによる回復ドライブ(従来のリカバリーディスクに相当するもの)の作成方法をまとめてみました。
今回の記事ではコンピューター全体に障害が発生したケースを想定して、BIOS画面から 『インテルはいってるタブレット2 / Si02BF 』 を工場出荷状態に戻す(リカバリーをする)手順をご紹介します。
回復ドライブからのリカバリー
Si02BF 回復ドライブの作成 と リカバリーの方法 前篇 で作成した回復ドライブ(リカバリー用USBメモリー)を使い、BIOS画面を経由したリカバリーをしてみましょう。
事前準備
回復ドライブを利用したリカバリーはBIOS画面から行うわけですが、『インテルはいってるタブレット2 / Si02BF 』はBIOS画面を呼び出すためには有線接続されたキーボードを併用する必要があります。
『インテルはいってるタブレット2 / Si02BF 』本体にあるUSBポートは micro USB端子(メス)が1つしかないため、USBハブを併用しないとUSBメモリーを同時に利用することができません。
またリカバリーにはかなり時間がかかるケースがあることを確認しましたので、『インテルはいってるタブレット2 / Si02BF 』本体は満充電した状態で利用する方が無難です。
さらに、USBハブもセルフパワー(別途ACアダプターからUSBハブに給電をする仕組み)に対応していることが望ましいです。(本体のUSB端子から電力を利用してしまうとトラブルになる可能性もアリ)
そしてなるべくなら、USBハブから本体への給電も可能な製品を利用しておくとなお良いかと思います。
ちなみに当ブログ管理人が入手し、上記条件を満たし無事に利用できることを確認した製品が 『 インテルはいってるタブレット2 / Si02BF Windowsタブレットを充電しながら複数のUSB機器を使う方法(バッファロー BSH4AMB03BK/N 編) 』 の記事でもご紹介した、バッファローの BSH4AMB03BK/N です。
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バッファローダイレクト
BSH4AMB03BK/N Android用充電機能付きUSBハブ 4ポートセルフパワータイプ
こちらが上記充電機能付きUSBハブと本体・キーボード・USBメモリ(回復ドライブ)を組み合わせた環境です。
ちなみにキーボードとケーブル(写真のホワイトケーブル)はこちらを利用しています。
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実際のリカバリー作業
それではリカバリー作業に入ります。
『インテルはいってるタブレット2 / Si02BF 』 をシャットダウンします。
次にUSB接続されたキーボードの 【 DEL 】 キーを押しっぱなしにしながら、Si02BF の電源を入れます。(DELキーを連打する必要はありません)
しばらくするとこんな画面が表示されます。
ここで表示されている内容が BIOS の設定画面で、コンピューターを起動する際にも利用されます。
一番上の段にある、【 Save & Exit 】 をカーソルキーで選択し、Enter を押します。
きちんとUSBメモリーが認識されていれば、【 Boot Override 】の項目に、【 UEFI: ○○○○ (ご自分で回復ドライブとして作成されたUSBメモリー名) 】と表示されているはずですのでそちらを選択し、Enter を押します。
回復ドライブを利用するための準備がされています。
しばらくするとご覧のような青い画面になり、Choose your keyboard layout と表示されます。
キーボードのTABキーを連打し、上記にあるように 【 See more keyboard layouts 】に白い枠を合わせます。(TABキー連打はここで終了)
【 See more keyboard layouts 】に白い枠がある状態で Enter を何回か押すと、上記のように Japanese が表示されます。
再度 【 TABキー 】 を何回か押し、【 Japanese 】に白い枠を合わせて Enter を押します。
Choose an option メニューから 【 Troubleshoot 】を選び、Enter を押します。
Troubleshoot メニューから、【 Reset your PC 】を選択し、Enter を押します。
Reset your PC メニューから、【 Windows 8.1 】 を選択し、Enter を押します。
すべての個人用ファイルとアプリが削除され、あなたのPCの設定がデフォルトに戻されることを警告する画面が表示されます。
工場出荷状態に戻したいわけなので、ここは 【 Next 】 を選択して Enter を押してください。
PC上のドライブのパーティションを再構築するかどうか(すべてのファイルが削除されます)問われます。
【 Yes, repartition the drives 】 を選択し、Enter を押します。
ここで再度、すべてのファイルを消してすべての設定をデフォルトに戻す準備はできているのか 問われます。
【 Reset 】 を選択して Enter を押してください。
再起動され、リカバリー処理が始まります。
終了するまで電源を落とさないように注意してください。
なお、所要時間はUSBメモリーなどの環境にもよりますが1時間~数時間(今回試したケースだと3時間以上)かかるようです。
終了するまで忍耐強く我慢してください。(リカバリー処理が停止ししているじゃないかと不安になりました(^^; )
※リカバリーにかかる時間が読めないため、なるべくなら今回おススメしたような給電できるハブを利用した環境を用意してください。
—– 数時間後 ——
かなり時間が経過したあとに、インテルロゴの上に何やら文字が現れます。
その部分を拡大した写真がこちらになります。
さらに文字部分をテキスト化してみるとこんな感じでした。
A configuration change was requested to clear this computer’s TPM (Trusted Platform Module)
WARNING: Clearing erases infomation stored on the TPM. You Will lose all created keys and access to data encrypted by these keys.
Press F12 or Volume Up to clear the TPM
Press ESC or Volume Down to reject this change request and continue
TPMはコンピューターのセキュリティに関するチップらしいのですが、マイクロソフトのホームページなどを調べてみても工場出荷状態に戻すリカバリーの際には 【 F12 】 を選ぶことが推奨されているようなので、【 F12 】 (ファンクションキーの12)を押してTPMをクリアしちゃいましょう。
再起動がかかります。
見慣れた Windows 8.1 の設定画面が表示されました。
無事に回復ドライブからのリカバリーに成功した模様です。
ちなみに回復ドライブからのリカバリー処理をする前(Si02BF 購入時の状態)のディスクのパーティションの構成はこんな感じでした。
リカバリー用のデータが格納されている回復パーティション(データを格納しておくためにあらかじめ用意しておく区画)が 5.37GB 用意されています。
今回のリカバリー後にSi02BF のディスクの構成を調べてみたらこんな感じになっていました。
回復パーティション用に確保されている容量が、リカバリーデータと同容量と思われる 3.08GB になっていました。
元々用意されていた回復パーティションの容量は結構無駄な空きがあったんですね。
メインで利用できるエリアがちょこっと増えました(笑)
リカバリー作業についてのご注意
今回の作業は以前問い合わせをした Si02BF の販売元でもある、株式会社シアルの担当者さんもご存じなかった(あるいは口外していない)内容になります。
そのためメーカーさんとしてもノーサポートであると思われますので、チャレンジをされる方は十分に注意をして自己リスクで行ってください。
(とはいえ、普通にパソコンを利用している上ではよくある対処方法の1つなのですけれど)
またリカバリーが終了後、Windows 8.1で再度セットアップをしている最中に 『 Windowsのライセンス認証ができません 』 という警告がされてちょっと悩みました。
結果的にはなんとかなったのですが、どうやら Si02BF のタイムスタンプが大幅に狂ってしまっていたことが原因でした。
認証をスキップして、マイクロソフトアカウントを紐つけようとしても同様な警告が発動します。
それらは正しい時刻を設定することによって、正常に認証が完了したことを確認しています。
こちらでは内蔵時計の時刻を狂わせるような操作はしていないので、リカバリ中のなんらかのタイミングで狂うことがある(あるいは工場出荷状態の時刻に戻ることがある?)ということでしょうかね。
というわけで、リカバリー処理後に同様なケースに見舞われた方がいらっしゃいましたらまずタイムスタンプを確認してみてくださいね。
これでとりあえず、安心して Si02BF を使い倒せる環境がゲットできました!
みなさんにもとりあえず、回復ドライブの作成まではやっておくことをおススメしておきます。