昨日書いた『変われなかったSONY どうなるVAIOの未来』を、その1として続きを書いてみることにする。
2月6日の今日、午後4時20分から都内のソニー本社で予定されている2013年4-12月期決算説明会に平井一夫社長が出席すると発表したようです。
通常の決算説明会に社長は出席しないということですが、急きょ出席を決めたということのよう。
タイミング的にみても先日リークのあったVAIO事業売却について、詳しい説明を社員向けに行うのだと思われます。
今年の1月上旬にインプレスのニュースサイトにて『「感動を生み出す商品を」。ソニー平井社長単独インタビュー』として、インタビュー記事が掲載されました。
米国ラスベガスで開催された、世界最大規模のコンシューマエレクトロニクス展示会「2014 International CES」に際してのインタビューだったようですが、このインタビューの中に出てきたキーワードを調べてみても、モバイル、センサー、連携が前提のネットワークサービスくらいしかプッシュしているものが見当りません。
2014年春VAIOのラインナップを見てみても、一部の機種を除けばお世辞にもこのキーワードに沿った商品であるとは思えません。
パソコンという商品は非常に手離れが悪く、組み込まれている他社製パーツやもともとのOSによってトラブルが絶えないものになっています。
さらにコンシューマー主体のVAIOでは、他社のブランドのように法人主体の利用では表立つことは少なかった『想定外』なサポート対応を求められてしまいがちです。(幅広い総合的な知識を求められてしまう分、無料サポート窓口担当者のスキル不足も目立つことになります)
そして商品サイクルがかなり短くなっているということもあり、コストがかさむ事業なのかもしれません。
モバイルコンピューティングという言葉がまだ生まれたばかりの頃は比較的軽いと評価されたVAIOのノートパソコンですが、タブレット端末などと比較すると2倍以上の重量があったりします。
さらに『CPUパワー向上』『バッテリー容量拡大』『よりパワフルな3D描画性』などなど、CPUやチップセットの機能向上により全体の底上げがなされてしまっているのにも関わらず、以前と変わらず過剰な機能を搭載することを正義としてしまっていたのではないでしょうか。
ウリにしている連携も、NFCを利用すればワンタッチでシンクができます、データーが転送されますなど、確かに便利だとは思うのですがそれによって感動が湧き上がるのかといえばそういうものでもないのです。
ビデオカメラがDV端子(IEEE1394)で繋がり、パソコンからテープの再生、巻き戻し、さらにはパソコンで編集した動画の書き戻しなどをコントロールするなど、プロ用の機材を組み合わせないとできなかったことを実現できたVAIOシリーズがありました。
手軽に持ち運ぶことができるノートパソコン、プロの機材でしかできなかったことができるパソコン、ポケットに入るような規格外のノートパソコン。
これら時代を読み取り、きちんと使わせ方を提案できたシリーズはそれなりに評価をされて売れていたんだと思います。
今のVAIOはOSメーカーすら利用のさせ方がわかっていない、未完成なOSの仕様を満たすだけのものになっていないでしょうか。
使わせ方の提案ができないのであれば、それはもう海外ブランドのお値段の安いパソコンと同じフィールドに立つことと同じです。
そして時代はモバイルを求め、VAIOよりも他社製 Windows 8.1タブレット、そしてOSの違うXperia を選んでいるのだと思います。
そしてこの記事を書いている最中に、VAIO事業の売却が決定したというニュースを流れてきました。
ソニー、パソコン事業売却で合意
ソニーがパソコン事業の売却で、投資ファンドの日本産業パートナーズと合意したことが分かった。(共同通信)
この日本産業パートナーズは、先日パソコン通信サービスの先駆けだったNECのビッグローブ売却先のところですよね。
ソニーからの正式発表を待ちたいとは思いますが、こういう結果になり非常に残念です。
そして、安曇野工場のみなさんの行く末がものすごく心配です。
手元にある 安曇野工場で作られたVAIO Duo 11 が、個人的に購入した最後のVAIOになってしまいそう…。
既存ユーザーはどうなるのか、現行のVAIOは購入しても大丈夫なのかどうか、色々気にかかります。
続報を待ちましょう。