エルパカBOOKS(電子書籍)サービス終了のお知らせ…というニュースが年明けから一部を賑わしていました。
エルパカBOOKS … ローソンに買収された元HMVドメインにより 2011年07月/25日より運営されている電子書籍サービス。2014年2月24日に終了する。
今回の件、ようやく盛り上がりつつある電子書籍サービスへの理解がまた下がってしまうことにならないといいのですが…。
そして、安心して利用できる電子書籍サービスはあるのでしょうか?
エルパカBOOKSの件も踏まえつつ『生き残る電子書籍サービス』と『消えていく電子書籍サービス』の違いを考えてみることにします。
まずユーザーがお金を払って得ているものはなんなのか。
コンテンツの利用可能性 … Kobo電子コンテンツ販売規約より抜粋 2014/01/14確認
Koboサービスは、幅広いコンテンツの販売を提供できるよう最大限の努力をします。 そのため、Koboは、通知なく、コンテンツの販売状態を変更することができます。ときには、商品の購入後、ダウンロード前に利用不能となる場合があります。かかる場合の救済として、お客様はその商品に支払った金額の返金を受けることのみが可能です。このような場合には、Koboカスタマーサービスにお問い合わせください(下記参照)。
お客様は、コンテンツの購入後速やかに、コンテンツをお手持ちのKobo対応端末にダウンロードしてください。原則としてお客様はお持ちの端末にはコンテンツを必要に応じて何度でも再ダウンロードできる設定ですが、出版社または権利者の意向等により、随時Koboのサーバーから削除されるコンテンツもあります。その場合、お客様には事前に告知を行うよう努めますが、緊急の場合等、お知らせが事後となることもあります。Koboは全てのコンテンツにつき、無期限にダウンロードできることをお約束・保証するものではありません。
またもう1つの規約であるKobo利用規約を読んでみると『デジタル本の本屋さん』というよりも『視聴権限を付与し閲覧(視聴)できるような環境を用意するサービスである』ということがよくわかると思います。
ユーザー側が複数の端末(E-Inkのリーダーやスマートフォンアプリなど)で読書ができるように、常にストアサーバーを運用し続けているわけですからこれはもう立派なサービスですよね。
面倒な入会手続きをしないで済むサービスが有利
有料のサービスであるということは会員管理(購入した電子書籍の情報管理も含まれる)の仕組みも必須となり、利用者はなんらかの手段で入会の手続きを踏む必要があります。
これは敷居も高くちょっとめんどくさい作業です。
この敷居が最初から無いサービス、あるいはもともとなんらかの理由でそのサービスの会員となっていて、改めて入会の手続きをしなくても良い方にアドバンテージがあるのは当たり前ですよね。
まずこの1つめハードルをクリアしているのが、楽天kobo と アマゾンKindle だと思います。
インターネットを利用したショッピングの経験がある方であればこのどちらかのサービスに入会されている方は多いのではないでしょうか。
結局のところ現在主流となっている電子書籍の流通は、データ販売というよりもサービスとして提供されているものなので、もともとの分母であるユーザーをどれだけ持っているが成功に関わってくると思います。(読者ではなくてサービスのユーザーです)
その他の電子書籍サービスを調べてみると、ローソンは単なるコンビニ+αですからそもそも分母がほぼゼロです。
ソニーやシャープのハードウェア系サービス提供会社も出版社系もしかり。
ゲーム機で読ませようというプランもありましたがそもそもゲーム機は基本的にはユーザー登録をしないでも楽しめる機器ですからちょっと違いますね。
専用アプリだけではない安価な専用端末の存在
紙に印刷しているかのごとく綺麗な表示ができ、なおかつ電池の持ちが良く軽い端末。
E-Ink 系の電子ペーパー端末は、スマートフォンやタブレットと違い文字の精細感は若干劣りますが、低消費電力でなおかつ液晶のようにギラつく表示ではないため長時間の読書に向いています。
そしてそれが実売5,000円前後で手に入るような環境。
このあたりを実現できないとサービスとして分母を広げていくことすら難しいですし、ここまでのブレイクスルーはなかったと思います。
ちなみに楽天kobo や アマゾンでは常時ではありませんが、各種キャンペーンを通して 5,000円以下で専用ハードウェアを提供しています。
また定期的に電子書籍の販売促進用のキャンペーン(割引クーポンの発行やポイントバックのキャンペーン)を行っており、コンテンツごとの値頃感を出すことに成功しています。
しかし現時点では上位を走っているサービスであっても、ある程度の普及が見込まれるまでは利益度外視をしてサービスを続けているはずですから、いつの間にかすべての会社が手を引てしまうなんてこともないわけでもないかもしれません。
トップを走っているサービス提供会社も実はしんどい?
以前楽天がやっていた Rabooというサービスが終了したこともありました。
あれはハードウェアで儲けようとしたメーカー側を切ることに主軸を置いた方策だったのでしょう。
XMDFなんていう日本ローカルな規格を使用すると、その規格の提唱元であるシャープに売り上げの15%あまりを持っていかれてしまうという利用者側にはあまり伝えられていない事実などもあったような記憶があります。
そもそも Rabooユーザーの絶対数がまだ少なかったでしょうから、そのユーザーを切り捨ててでも新しくサービスブランドを作り上げる方がコストメリットがあったんだと思います。(影響もかなり少ないはずですしね。Rabooを利用していましたとかいう人、周辺で聞いたことがないです)
実は同時期に海外の企業(主に韓国など)から出版社に対して安価な電子書籍端末を売り込みにきていました。
それに乗っかってしまったのが今ある出版社・印刷会社系の独立したサービスだと思います。
どんな端末で読んでもコンテンツは同じですし、出版社の視点で見れば(デジタル変換するコスト負担が見合う前提ではありますが)提供ハードを絞り込む理由がありません。
利用者側も電子書籍だけではなく、総合的なサービスを受けられる会社を選んでいくことになるでしょうから自ずと生き残る会社は少数に絞られていくことでしょう。
エルパカBooksのようにAndroidアプリでのみサービスを受けられる(iOSのみもしかり)サービスなど、そもそも生き残るのは難しかったとは思います。
残したい本はリアル本を買う、クーポンなどを利用してなるべく安く購入してすぐに読む。
電子書籍は好きだけど、DRMなんかイヤなんだーっていうなら自炊する。
そういう心構えをしつつ、現時点では 楽天Kobo か Amazon Kindle のどちらかで電子書籍による読書を楽しんでおいたほうが精神的にも楽かなと思いました。
個人的には書籍を 30%~50%オフで購入できるクーポンなども定期的にばら撒いている 楽天Kobo をおススメしておきます。
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