2011年3月11日(金)。
色々なテーマを日本という国に残しましたが、一時の節電ムードはどこへ行ったのでしょうか。
街のネオンも元通りに復活し、また無駄に明るい夜がやってきました。
この電気を作り出している中心施設でもある原子力発電所について、ゲームクリエイターとして名を馳せた飯野賢治さんが、息子さんに宛てた手紙のようなエッセイをブログに残されていることをご存知の方もいるのではないでしょうか。
私もそのエッセイに書かれていることについては同じ考えを持っており、それを分かり易く代弁してもらっている気がしました。
お子さんに語りかけるような優しい文体で書かれているためか、まるで飯野賢治さんが息子さんと対話しているその場に同席させてもらってるような気持ちになりました。
そして読まれた方の評価も非常に高いこのエッセイは、ある出版社の目に留まることとなります。
その後、加筆修正と書き下ろしがが加えられて1冊の本となったのがこちらです。
実は飯野さんの会社である株式会社ワープからエネミーゼロというゲームソフトが発表された頃、仕事の関係でインタビューをさせていただいたことがあります。
体格もビジョンもスケールが大きい魅力的な方でした。
いつかまたお話ができる機会があればと思っていたのですが…。
先日の2013年2月20日の夕方。
飯野賢治さんに持病のぜんそくの発作が起き、それが原因でお亡くなりになりました。
非常に残念でなりません。
そしてこのことでこちらの本に再び注目が集まりました。
2013年3月29日現在、店頭在庫のあるお店でしか入手できないようです。
(再販がまだされておらず、初版が一部流通在庫として残っている模様です)
飯野賢治さんの意思により、この本の著作者印税の全額は日本赤十字を通して義援金として寄付されているとのことです。
加筆修正前のエッセイ部分は、故人のブログにそのまま残っていますのでまだご覧になられていない方はぜひお読みになってください。
link: 『eno blog』 息子へ。
ご家族や友人と、原発や未来へ残す遺産のことを話し合ってみるきっかけにしてみてください。
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